ースにして楊副校長に,私にあった授業の準備をしてもらったのです。
2.4月28日(土) 大連到着とあれこれ
ついに初めての大連に夕刻到着! ピッタリ正確な時間に出迎えに来てもらう。
日本語が話せる朗らかな女の子とスカイプで話した副校長のお二人が迎えに来てくれ
ていた。副校長の楊老師は、上品で美しいとても魅力的なキャリヤウーマンでした。
ホテルに向かう車中で、いよいよ大連生活が始まるぞ、という期待感とうきうきした
興奮で思わず顔がほころびぱなっしだった。
直接レストランに案内されて、すぐに手厚い歓迎晩餐を受けて大満足です。味付け
は日本人に良く合う薄めで、これなら毎日でも飽きないな、とひと安心。
それからウィークリーマンションに一緒に行って大切な部屋のチエックです。中国
のホテルは、水漏れ、絨毯汚れ、保証金、鍵代徴収、などトラブル多い。老師に立ち
会ってもらい何の問題なくホッと一安心。副校長とホテルの経理が知り合いで全行程
朝食を無料扱いにしてもらい、これには大助かりの何ものでもない。最終日チエック
アウトで結局一円の追加料金もなかった。山鹿学校の留学生に無駄なお金は使わせな
いという親切さと良心的経営が心に伝わってきてありがたい。
ウィークリーマンションの部屋は、キッチン用品、洗濯機、電子レンジなど、ほぼ
すべての生活用品と機器がそろっており、綺麗で広い2間続きです。2台のTV、窓
のビューも広く明るい。これなら快適で過ごせます。学校にも近いのがおお助かりで
グッド! 大木さんのアドバイス通りにしておくのが一番間違いないと実感。これで
¥6,000/1日は安い! と思ったとたんに疲れがドッと襲ってきて、荷物に手も
つけずベッドにバタンキュー。
大連はメーデーで休暇に入っていました。慣れないので買えないだろうという心使
いの食料品、飲み物、ビールなど老師の差し入れは、実は最後の日まで恵みの食べ物
となり、感謝感謝です。
3.4月29日(日) みんな親切
今朝、疲れも回復!4時過ぎにはもう夜が明け、夜明けと共に目覚める。ホテルの
朝食を腹一杯食べて迎えの車を待つ。迎えの時間ぴったりに来た。時間を守るのは、
中国では珍しく、日本とのビジネスの基本を大木さんが厳しく守らせているのでしょ
う。今回の留学では最後まで一度も待つ事なかった。そういえばスカイプのレッスン
でも、二年間1度も老師の遅刻はなかった。これは高く評価すべき快挙としかいいよ
うがありません。
いよいよ、初めての留学での授業と実習が始ま
る。私の担当老師は大学生の金老師です。日本語
は流暢で、しかも発音が綺麗で気持ちの良い声に
魅了される。日本人に対する教え方も慣れていて
いうことなし。「教科書は買うつもりでスカイプ
のレッスンで使っている教科書を持ってこなかっ
た」と言うと、楊副校長自ら2課分をコピーして
くれた。どこをどう取っても親切で良心的でびっ
くり。こんなんでは、儲けて大きくなれないねと
|
金老師 |
言うと、“麻雀虽小 五脏俱全”という諺教えてくれた。「雀はたとえ小さくても、
五臓が揃っていて問題が無い」という、より深い意味のもの。自分の欲が抑えられず
破滅するまで解らない、日航然り、西武鉄道、ホリエモン、小沢、と切りが無いが、
面々にせめてこの気持ちさえあれば救われたものをと。 合掌!
昼飯は、向かいの大学(事務局注釈:民族学院)の学食に連れて行ってくれた。ボ
リュームある栄養満点の自助餐を一緒に食べる。1000人収容の食堂が3フロア、
メーデー休暇中でも、三分の一の各国学生がおいしそうにたべている(一皿150円
から250円のてんこ盛り、まるで餌ののり)。金老師は、山鹿学校の同僚の昼ごは
ん用にビニール袋に詰めて貰っていた。自分の夕食用にも一袋持ち帰り、まさにぎり
ぎりの生活を垣間見たようです。日本人の贅沢すぎる飽食、食べ物を粗末にしても驚
かない生活に、質素さの大切と感謝を忘れた心がただ恥ずかしく、この子たちこそ幸
せになって欲しいなあ、と心の中で願う。もちろん私はお客さんで表面のいいところ
だけしか目につかない。配慮のせいだと割り切って、裏面も観察しつつも飾らない、
駆け引きしない、余計なお金は使わせない、のありのままの山鹿学校の姿に信頼感と
親密感を覚える。
経営として大木さんも山鹿学校も何処で儲けてるのか? と、フッと思う。
大連に着いてから花粉症に悩まされ、鼻水、喉も異常な痛さで、体調は絶不調だ。
(事務局注釈:大連の5月初旬1~2日間だけ“杨树”の“絮(xù)”と言うふわふわした柳の種子が町中を飛び交う)
金老師が、「熱したお湯をさまして飲むと直ると」教えてくれる。自分もそれで治っ
たと言う。これってまさしく、私の幼いとき貧乏で物も食べ物も何も無い田舎で病ん
だ時、お婆さんから確か「さ湯を飲め」と言われた遠い遠い昔の記憶が、やたら懐か
しくて涙が出そうになる。
金老師は夏休みに20時間もかけて親兄弟に合うため帰郷するという。贅沢に慣れ
た平和ボケの先進国、これでいいのか日本。精神的に豊かなのか? 問題提起された
ようで参った!
ホテルに帰ると、洗濯機の操作がわからず洗濯機の中に放り込んだままにしていた
汚れ物が、洗濯してあって干してもくれている。大木さんから怒られそうだがチップ
程度の手間賃くらいは払わないわけにはいかない。こちらはずいぶん助かったわけだ
から。違うのかな?
午後は、金老師と一緒に街に出て商店やスーパーマッケットやレストランめぐり、
換金の体験。一人では到底無理。教科書に書いてある通りの順番でもないし、手続き
も複雑で上海でやった手続きとも違っていて、やはり経験が不可欠。金老師は、エス
コートしてくれているというより、むしろ私を守ってくれているという扱いで、それ
に甘えている自分が情けない。
4.4月30日(月) 1日中実習は観光気分
今日は一日中実習だ。気分転換を考えて実に上手に日程を組んで貰っている。朝か
ら霧が凄く深くて前が見えないのでびっくりした。霧のロンドンでもこれくらいひど
いことは無いのではないだろうか。当然、飛行機は飛べないので困る人が多いのでは?
虫が良すぎか、自分が飛行機に乗るとき良い天気に成るよう頼みます。5月は霧が深
くなる気象現象がよく現れるらしい。ひとつ賢くなる。
霧が晴れるのを待って大連市内に向かう。電車は一人4元で安すぎる! 東洋一と
いう公園、観光の目玉へ到着した。広すぎて端が見えない。ゴミひとつ落ちていない。
万博以降中国も綺麗になった印象が強く、マナーもましに成っている。そして大連は
上海と比べて人間が穏やかで落ちついてる。街並みも整備されて道は広くゆったりし
ている(裏道は解らない)。山や自然がある。日本人が好む訳が理解できる。そして
この季節、桜、ユーカリなど、いろんな種類の花が色とりどりに咲き乱れていて街が
箱庭のようで実に美しい。
水墨画の即売店に出くわし、ラッキーにもものすごい数の掛け軸が観られ私の画材
の参考になる。中山区の日本人街は高級住宅地でセレブの住む田園調布に似た別世界
でした。ここなら住んでも良いなんて思う。帰りは疲れたのでタクシーを望んだとこ
ろ、金老師が高くつくので乗り合いタクシーにしましょうと言って、いわゆる白タク
の運ちゃんに交渉しだした。やばい。若い女の子だから止めとけと言ってるのにもか
かわらず、やはりガラ悪い運ちゃん数人に囲まれた! 4人集まったら出発するらし
い。どんなシステムなのか20分くらいで3人集まり、平日20元のところ祭日ゆえ
今日は一人30元で行くと話がまとまった。運転は荒っぽく、猛スピードで目的地へ
向かう(日本人がスピードに怖がるのを試したらしい、確かにぶつかれば即死だ。汗
びっしょり、金老師は胸悪い)。それにしても若い女の子が、料金も口約束でしかも
得体の知れない車によく乗れたものだ。経験があるのか、危険に対応する覚悟がある
のか頼もしい子です。持病の腰痛が出てきたので、タクシーを降りて盲人按摩の店に
入る。いくら言っても金老師は実習時間のラストまで2時間残ってると言って待って
てくれる。責任感が強く汚れていない爽やかな女子老師です。
山鹿学校の校風は、日本人に合わせている感じで何ひとつ抵抗感は無くとても居心
地がいい。副校長の美人老師はいつも気にかけてくれている。肝心の語学については、
今日一日通して出合った人達の会話はなにひとつ知ってる単語も無く聞き取れない。
彼らは標準語を話していないのではないか? はたまたネイテイブ同士の便利言葉で
は解るはずがないのでは? と疑いたくなる。按摩店では、症状をどういうか教えて
貰って解った風に言いまくりましたが、マッサージ師との間の空気がいまいち変です。
自分の痺れた足を雑巾と言ってたいらしい。クワバラ、クワバラ。ビジネスなら知っ
たかぶりすると、とんでもない大変な事になる。己の実力を知れです。
5.5月1日(火) 本格的な授業 日本人技術者と知り合う
まだ、中国はメーデー休暇が続いてるようだ。ホテルの朝食で知り合った日本人の
60歳くらいの親切な技術者に、裏山の砲台公園に案内して貰う。綺麗に整備された
低い丘陵で、桜と八重桜が咲いて花だらけ。名前の通り立派な大砲が4門、ぴったり
日本に照準合わせているそうな(笑う)。
彼は大連に10年あまり単身で赴任しており、金元ホテルの同じウィークリーマン
ションに居る人。海外オンリーのキャリヤで生活は慣れたものです。
があればがんばれるのかも知れない。
本日は、午前と午後2時間づつの授業。マンツーマンのレッスンは値打ちそのもの。
金老師の流暢な口調が頭の中に抵抗無く染み込んでくる。夏の蝉のように。
昼食は当たり前のようにいつもの学食へ。とても広いキャンバスだが、大体建物の
レイアウトは掌握し、久しぶりで学生に戻ったようなフレッシュで甘すっぱい幸福感
をゆっくりと味わい尽くす。来て良かった! 金老師は学園祭で、日本の「大奥」を
日本語で演じるらしい。毎日演劇の練習を共演者と共に遅くまでしているとの事だ。
相当入れ込んでいる姿はまことに微笑ましい限り。
疲れたので5時に部屋に直行、ホテルが近いのが何よりありがたい。山鹿学校から
5~6分で着く。毎度々思うが、大木さんのいう事を素直に聞いていて大正解だった。
風呂に浸かって疲れも取れホッと一息つき、焼酎を軽く飲みながらTVを観てすぐに
就寝。目が覚めれば朝ホテルの朝食が確保されているので、空腹になる心配は無い。
夜食でうろつくリスクも皆無。明日は美人の副校長が金石滩のリゾート海岸、美術館
に案内してくれる。話がいまいち出来ないのが残念で悔しい。
6.5月2日(水) 午後から金石滩
午前2時間授業を終えて、昼食はまた学食へ金老師と一緒にくる。質素にするのも
修行ののり(冷や汗)。あまり食べられない。これではサバイバル出来ない。ふがい
ない。休憩してから金老師と楊老師それと楊老師の旦那さんの運転で4人でドライブ
に出かける。1時間くらい行った郊外には美しい海が有りびっくり。砂浜が続く高級
イメージのリゾートです。カップル、家族、観光客で賑わっていて、ここが私の想像
していた中国だとはとても思えない風景。大連に来てづっと思ってた事のひとつに、
こんな海岸でも、大学のキャンバスでも、どうして男の子が女の子に声かけないのか?
男の子がかわいい女の子に声掛けてるのを見たことが無い。繁華街でもチャンスがい
くらでもあるのに誰もハントしない。恥ずかしいのか礼儀正しいのか習慣が無いのか、
そっぽ向いて知らん顔している。実にもったいなさ過ぎる。知り合えば友人のネット
ワークが広がり情報が手に入る。楽しいに決まっている。そして美人に声掛けないそ
の事自体が女の子に対して失礼になる筈だ。中国語がもっと出来たらチャンスは私に
もある。近い将来が楽しみだ。
思いもかけぬことに、オクションの販売住宅に入れることが出来て、これまた二度
びっくり。超のつく豪華さ中国人のやることはさすが半端ではない。買う人が居るの
が恐ろしい。会社の保養所としてや研修所、会議室オフィス需要が今後出てくるに違
いない。もう一つ思っていることは、これだけの人口が贅沢になって資源の使い放題
になると、水や油、食料の調達がすぐ枯渇しないのか? 切羽詰まると、ひとつの国
では収まらず世界を巻き添えにしてしまうのではないか、切実な問題がしのびよって
来ている気がする。
早々に部屋に戻る。なぜか今日はむしょうにビールが飲みたい。買いに出る気力は
無い。やった!あった! 楊老師が到着の夜差し入れてくれたビールが冷蔵庫に冷や
してある。パンも残ってる。ジャストタイミングの恵みの品となり、おいしさひとし
お。家族のような気配りに心から感謝。
7.5月3日(木) 授業にどっぷり
今日の予定は午前2時間と午後2時間の落ち着いた授業になっている。さらに1時
間追加してなんと5時間のロングタイムの授業だ。大連にくるとやる気になってきて
いる。自分でも驚くほどテンションが高く学習意欲満々だ。昼食は当たり前のように
向かいの大学の学食へまた連れて行かれた。たまにはおいしいものを食べようという
気が無いのだろうか。本当に質素な人達ばかりで実に微笑ましい。日本の成功者だか
ら「できるだけ有名な高級レストランに案内しなくちゃ」とういう、不自然な構えが
まったく無く、あくまでシンプルな一留学生という扱いだ。かねがね、もう一度だけ
学生に戻ってみたいという願望がこんな理想的な形で叶い本当ありがたいの一言。
昼休みに学校の向かいにある中国銀行に行って換金にチャレンジした。習った本の
通りに事が運ばず、しまいには、銀行員の女の子が紙をくちゃくちゃにして怒りだす
始末。こちらはサービスが悪いと思い、あちらはよその客に迷惑がかかっていると、
思いはそれぞれ違う。こんなギャップは政治経済教育にすべてにいえる事だと思う。
つまりそれぞれに言い分があるという現実です。
今まで行った大連の場所を振り返って考えると、繁華街の人の多さ、上野駅とそっ
くりな大連駅前の人だかり、大阪の造幣局桜の通り抜け状態で、人に押されて怪我す
るのでいけないくらいなのが日常茶飯事だと、金老師言う。こんな中から人を押しの
けて出世するのは並大抵ではない。自分も、もしここで生まれていたら? と思うと
嫌になった。今回知り合った人達に幸運あれ! と思わずにはおられません。金老師
は学園祭の大奥の演技練習に追い込みがかかってきているらしい。
8.5月4日(金) 水墨画家に会う
午後からの実習で、待望の水墨画家に逢えるよう学校にお願いして段取りをつけて
もらっているので、画家に敬意を表して坊さんに近い衣装で出かける。
道中の街中で、やはり特異な珍しい目でじろじろ見られる。タレントにでも成った
気分。どこの国も垢抜けた人達は我関せずで、前(将来)を向いて生活してる。
国家一級クラスの水墨現代画家の面談がついに実現! なにはともあれ、目の前で
い目の前で揮毫してもらう。まったく画と一体のエネルギーと気が、紙の中から書と
なってぞろぞろと出現してくる感じだ。
水墨画家と書道家の老師の言うがごとく、日本人の画は幅も無く奥行きも無く勢い
が無い、と日ごろ東山甲斐、平山郁三、日本水墨巨匠にも、何か解らないけど足らな
い物がもやもやしていたので、迷いは吹っ切れた。座って描く愚かさ、上手にデティ
ールにこだわって描く了見の狭さや、几帳面さからか、一方では何かが失われている。
太極拳にも通じるこの感覚は、3人目に会わせてもらった有名な古典の水墨画家で、
はっきりした。この老師は太極拳と両立されていて、いいところに気をつかれた水墨
は、太極拳と同じで気であらわすとのことだ。やはり広大な土地と歴史、身土不二の
DNAのなせる心技一体の画。なにが一番大事かの迷いが払拭され、これからの私の
作風が明らかに変わってくるでしょう。
今回の大木さんにお願いした語学留学は、観光オプションもつけてくれ美術家の
紹介も受けて、よそではまず出来ないし、しないし、もともとありえ無い事でしょう。
マンション到着すると金老師が玄関まで送ってくれておお助かりだ。作品を抱いて
部屋へ戻っても、カルチャーショックで興奮が収まらない。この歳でいい刺激と貴重
な体験をさせてもらいました。副校長の楊老師に、夕飯においしい変わり餃子と中華
をご馳走にもなり、夢のような一日は沈む太陽とともに終わりました。
TVつけたら中美でオバマ大統領と閣僚の経済会談が開催されていることを報道し
ていた。日本では報道されていないだろう。ビック会談が日本外しでどんどん進んで
いるやんけ。政権争いや大臣降ろしばっかりやっててどうする日本? 一刻の猶予な
い! 外交上手で強い日本にならないとみんなが難民になってしまう。
9.5月5日(土) 担当老師が日本語劇「大奥」に出演
今日は担当の金老師が出演する学園祭の演劇発表会の日が来たらしく、朝から時間
に追われている。ばたばた、そわそわ、落ち着かない様子が見てとれる。私も観劇で
きることになった。またとない機会なので、早々に授業終えて出かけることにした。
そこそこの規模のホールの観客席に座る。金老師は自分が舞台に上がる準備に忙しい
にもかかわらずきめ細かく私に世話を焼いてくれる。
若い学生が大勢きていて、男女が8対2くらいの割合で合計1000人くらいが、
ざわめいている。暗闇の中で不思議と若い女の子特有のにおいがしない。清潔なのか
体臭が無いのか、これはとても意外なことだ。いよいよ日本語学科3年生が出演する
「江戸大奥物語」が始まる。金老師も浴衣で十二単を表現したつもりにならないとい
けないので演技力が問われる。私の孫が出演しているようでこちらがどきどきする。
音響が最悪で金属音のノイズでせりふがよく聞き取れない。でも、担当を決めてない
のか修理する人もいなくて、指示を出す人もいない。まるっきりほったらかしで、私
の常識ではとても考えられない。どうやらこのへんに中国人のウイークポイントがあ
るのではないだろうか。個人主義の弊害か、責任感の問題か? 国民性をよく理解す
る必要性がある。
化粧おとした金老師の午後のレッスンの始まり、「12チーム中トップだった」と
話してくれた。さすが3年生にもなると、日本語の理解も深くなっており、話し方も
上手い。我が事ように嬉しい。どこの国の子も一生懸命何かに打ち込む姿は魅力的で
尊い。中国の大学生は、現在の日本と一緒で就職が大変難しく大学院で待機してる者
も多いらしい。就職先があっても面接重視でコネがないとなかなか就職できないそう
だ。厳しい!
平均1000元から2000元位が初任給との事で、上海はもっと高かったように
思いますが、地域格差があるのでしょうか。不足してるのは圧倒的に労働者らしい、
だれも、汚い、きつい、安い仕事はしたくないのでしょう。それでも景気はいいので
労働者の日給を倍くらい上げれば確保できそう。
10.5月6日(日) 朝陽寺の住職
エレベーターの中に敷いてあるマットの文字が“星期天”となった。大連に来てか
ら2回目の日曜日を迎えた。「早いもんだなー」と思いながら。少し慣れてきて余裕
が出てきたかなとも思う。今日の午後は、実習で名所旧跡めぐりを計画してもらって
いる。訪れる朝陽寺には、一番大きな
期待がある。住職に会っていろんな話
が聞ければラッキーと気持ちがワクワ
クと膨らむ。でも、さすがにお寺への
コネは一般の人には縁遠い。
寺の中をひと通り見て回ってから、
住職さんがおられるかどうか聞いても
らうと、今ならいらっしゃるとのこと
|
朝陽寺境内
|
で余りにも幸運すぎる。お会いしたらお互いにひと目で信仰の共通点を感じ親密感を
隠しえない。
住職は40才くらいの年恰好で厳しい修行を耐え抜いた精悍な顔をしておられる。
下さった。金老師も思わず「親切ないい人ですね!」と、私に小声で囁いた。こんな
雰囲気には、みんな素直になれて笑顔がある。
何か大きな大仕事が終わった充実感がある。部屋に戻ると喉の渇きと空腹が襲って
きた。そうかといって買いに出かける気力はもう残ってない。冷蔵庫開けると到着日
に楊老師が部屋に差し入れてくれたパンの最後の一切れと、飲みたかった日本のお茶
一本が残っているではないか。今回この差し入れでどれだけ助かったか、表わしよう
のない感謝の念が気持ちを昂ぶらせてきた。
いよいよ明日は帰国だ。金老師は帰国に向けた段取りをきめ細かく指示してくれる。
なんだか「大変お世話をかけたなぁー」、と熱いものが胸の奥からこみ上げてくる。
11.5月7日(月) なごりおしい大連
いよいよ、帰国する日がきました。
短かったのか長かったのか、良い体験がたくさん身に着き思い出を土産に大連を離
れます。楊老師が、飛行機の出発時間に3時間の余裕をもって、約束時間にきっちり
迎えに来てくれました。一緒にチエックアウトもしてもらいました。ウィークリーマ
ンションは1元の追加料金もなく、改めて良心的なサービスに感謝です。結局、最初
から最後まで時間をきっちり厳守してくれ助かりました。ご立派です!
全日程で追加で支払った費用は、実習で使った交通費と食事代や授業を3時間追加
しても合計1万円以下で済みました。とても安かった。大木さんから事前に、実習で
使う交通費や食事代などすべての費用は、老師分を含めて受講生持ちと聞いていたが、
一体いくら用意すればいいのかまったく見当がつかなかった。結果的に1万円以内で
済むとは驚きだ。留学生に出来るだけお金を使わせないという校風があるお陰と思っ
てます。アットホームさも身近に感じ居心地のよさに甘えました。相当厳しく大木さ
んの指導が行き渡っている証だと思います。メーデーの休暇中なのに割り増しという
考えが無く良心的で安心して学習を続けられました。
この7日の日記だけは、帰国して冷静期間を10日間置いてまとめた感想です。他
はウィークリーマンションの部屋で書いたものです。習うより慣れろ。自分の会話ス
キルを自分自身でチエックし、今後の勉強のあるべき方向を確認したし、いろんな声
の持ち主の中国人の発音に慣れることも体験した。また、中国から日本を観察するな
ど、いろんな意味で短期留学は価値があるものだなと強く思いました。皆様にも是非
お勧めします。
日本も今の時期、経済、政治が混乱し新たな貧困層が生まれ、隠れ貧困層を合わせ
れば、貧困は相当広がってくるでしょうし、その傾向はしばらく続くでしょう。でも。
ちょっとまた違った別の考え方も出てくるのも事実です。
大木さんには、私の留学中いつも学校側と私の様子を連絡しあってもらい、ご心配
をおかけしました。また、大連でお会いしました皆様には、このつたない体験記を通
して厚くお礼申し上げます。